報われない愛
とある方に連れて行って頂いたラテン・ホーム・パーティー。メレンゲ〜クンビア〜サルサがガンガンでバイラバイラ状態でした。市井のラテンの人と接する機会の余りなかった私は、その場の雰囲気に圧倒されてしまったものでした。夜もふけて来ると、あんなにバイラな皆が、一転してラテン・ポップス〜バラーダ系でしんみりしてしまったのです。おそらくLPから作ったテープなんでしょうか、ややひずんで録音されたいくつかの曲は、メレンゲ〜クンビア〜サルサよりも大きな音で流されていました。
サルサ〜メレンゲがラテン・ポップスの手法を取り入れているので、サルサ〜メレンゲの方から、それまで、ラテン・ポップス〜バラーダ系を聴いていました私でしたが、何故か、行き場のない雰囲気もありその場にたたずむばかりでした。【ラテン】の深さってこんなとこにもあるんだなぁと思ってしまいました。
そんな彼ら、彼女らに日を改めて、ミリアム・エルナンデスの事を聞いてみると、ほとんどの人が知っていました。一人はミリアム命の人もいたほどでした。私が、初めてミリアムを聴いたのは、ビルボードのチャートにしばらくNo.1だった為に、手にしたみた2ndアルバム『DOS』からでした。1曲目に入っている、情緒に流される一歩手前でけなげに歌われる「Peligroso Amor」に、その場でクラリと来てしまいました。この曲は、プエルトリコ録音での最近作が好評のレイ・セペルベーダのソロ・デビューアルバムでカバーされていて、特に思い入れの多い曲です。他の曲もいい曲が多くて、切々と女心を歌っています。恋とは辛い事の方が多いのでしょうか…。
まぶしい昼間の光に背を向けて、異様な美しさにまみれた3rdアルバムのジャケットを眺めながら、つらつらといままでのアルバムを聞いていました。ついついラム・トニックに手が出ても誰も責める事はない筈です。
MYRIAM HERNANDEZ (CAPITOL EMI LATIN 42162) 1989
DOS / MYRIAM HERNANDEZ (CAPITOL EMI LATIN 42358) 1990(解説・対訳の付いた日本盤も出ています)
MYRIAM HERNANDEZ (WEA LATINA 90123-2) 1992
MYRIAM HERNANDEZ (WEA LATINA 98576-2) 1994
TODO EL AMOR / MYRIAM HERNANDEZ (SONY 82675) 1998
+ y más / MYRIAM HERNANDEZ (SONY 83976) 2000
EL AMOR EN CONCIERTO / MYRIAM HERNANDEZ (SONY 84909) 2001
HUELLAS / MYRIAM HERNANDEZ (EMI 98739) 2004
94/11/12 NiftyのフォーラムへUPした文章です。
最近は熱心に追いかけていませんが、結婚して(離婚したという噂も)今はチリを中心に活躍している様子です。当時は数少ない情報とジャケットの雰囲気でなんとなく理解していた世界ですが、今はミリアムもオフィシャルサイトがありある程度の情報は分かるようになっています。チェックしてみるとライブとかでは昔の曲「Mio」「Peligroso Amor」も歌っているし、EMIへ移籍後の最新版はDVD付きで再発しているので、気になりますネ。
そういえば、最近NHKの番組にジェニファー・ロペスが出てインタビューを受けていました。今や歌、映画、ファッションでトップにいるJ.LOですが何かしらの成功哲学をつかんだ様子です。それはそれで凄いことかと思いますが、個人的には報われない愛について歌っていたミリアムの姿に心惹かれます。
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ミリアムのサイトは今はないようです。そのかわりPVを見つけたので入れておきました(2010.5.16追記)
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