ジョナサン・アイブの「ユーザーが対象をどう受け止めるかをデザインする。その存在、機能、可能性が生み出す意味をデザインするんだ」という言葉と、マツダのクルマ作りを考えてみた

ステイタスバリューをどこに置くか
おそらく知っている人は僅かだと思うけどAppleのNewtonのデザインも手がけたジョナサン・アイブの本には様々な道標が散りばめられて、一気に読んでしまいました。本を読みながら付箋を付けているなんて、あまりないんですが、気になる記述が多いんです。

●単に形の美しいものを作ればいいというわけじゃない。人々の生活に合ったデザインでなくちゃならない。僕らはユーザーインターフェースにこだわっている
●違うものを作るのは簡単だが、いいものを作るのは難しい
●工業デザイナーは、モノをデザインするんじゃない。僕らはユーザーが対象をどう受け止めるかをデザインする。その存在、機能、可能性が生み出す意味をデザインするんだ
●みんなデザインをお化粧だと思っている。ハコを渡して『見栄をよくしてくれ』と言えばいいと思っているんだ。それはデザインじゃない。外見と感覚だけじゃないんだ。デザインは、ものの働きなんだよ
●ジョブズはコア路線を強調し、アップルが市場を失ったのは、顧客の本当のニーズに集中せずにすべての人にあらゆるものを提供しようとしたからだ
●僕らほど野心的になると、従来の開発方法ではだめなんだ。みんなが協力し一体となって製品を開発しなければ、複雑な問題を解決できない
●僕らはデザインを主張したいわけではなく、シンプルにしたいんだ

マツダのブランド・エッセンス・ビデオ
会社が危機的な状況にあって、何を成すべきかをクールに実現していたジョニー。ユーザーが手に取り、どのような形で生活を変えていくかを想像し、開発の手順=それは素材選び〜加工技術も含み を考え、どのように世の中に生み出していくかをデザインする。心のなかに密かに宿っている、曖昧で形に現しにくいものを見つけてくれるものこそがブランド力なのではないか。

Appleのデザイン力の秘密を読み進めていく中で、マツダのクルマ作りに対するある種の共感に跳びのく自分に気が付き始めてます。ママボリンケンが見つけたり、同時にFacebookでも紹介されてたマツダのブランド・エッセンス・ビデオが雄弁に語ることをもう一度考えてみたい。Appleがクルマ産業に参入する話=噂も何故かタイムリー。