The Beatles: Get Back 50年ぶりに蘇る鮮明な7時間47分のドキュメント 若く美しい4人の苦悩と解放

Get Back Part 1 69.1.2-1.12 2:36
1〜7日トゥイッケナム・スタジオ、ジョージが一時的に退団するところまで。4人とも若くて美しいのが印象的で、それぞれが曲に対するアプローチが違うのが興味深かった。1週間では曲の完成度は低いが、『Let It Be』以降に収録される曲のアプローチが興味深かった。「Let It Be」を演奏中、ヨーコとリンダが仲良く話し合っているのが意外だった。ファンとしてはグリン・ジョンズのかっこよさや曲へのアプローチする姿が見られてうれしかった。

はじめは映画館で公開しなくてガッカリ…と思っていたが、1ヶ月のスタジオの工程を追いかけていくには配信が適していると納得。クライマックスの42分の全編が収録されたルーフトップ・コンサートが収録された3話目が楽しみだが、2話でジョージがビリー・プレストンを連れて戻ってくるところも楽しみ(ビリー・プレストンについては1話でジョージから言及があったのは新発見)。

Disney+にて独占配信されるので、やむを得ず加入。iPad Proで観るつもりが、TVでアプリをDLしたらOKだったのでTVで観ることができた。画像や音は鮮明、DLも出来たのでiPad Proでも後で観ることが可能。iOSではアプリ上だが、TVの場合は字幕や音声はリモコンで切り替えることに気がつくまで試行錯誤。他には『folkore』を録音しているテイラー・スウィフトのドキュメントがあったので、iPhoneにDLして今日の移動中に観た。

Get Back Part 2 69.1.13-1.25 2:53
ジョンとポールの密談を植木鉢に仕込んだマイクで盗聴。お互いの思いとジョージへの対応が生々しい反面、ジョージの立場を考えたらいささかやりすぎ感もあるのが正直な話。結果、ジョージは戻ってくるが、その条件についてははっきりと映像化されていないのが残念。この辺はスタジオ内でのポールとの確執も含め、オリビアがプロデューサーをしているので、やんわり目の表現に着地していたのだろうと想像。

・トゥイッケナム・スタジオでの撮影中止
・ライブショーの延期
・観客なし、予告なしのライブ
・アップルビルの新スタジオで制作を継続

事の経緯を押さえていないと分かりにくい編集になったかと思う。相変わらず集中力にかけるスタジオの姿で少し退屈な映像が続く。はっきり言って、ジョンのジョークやおちゃらけは個人的にはつまらない。ところが、ハンブルグ時代以来旧知の仲のビリー・プレストンが参加した瞬間に(1/22〜1/30)サウンドに締まりとうるおいが現れてくるから驚きだ。全員の笑顔とグルーブに引き込まれる、こののシーンが(I’ve Got A Feeling〜Don’t Let Me Down)Part2のハイライトだと思う。

グリン・ジョンズがジョージ・マーチンに助けを求めるシーン、嘘っぱちな新聞、ヨーコが毎日グラフを読んでいる、一瞬だけ映るパティのかわいらしさ、スタジオの外でいつも待っている二人は「Across The Universe」のコーラスに参加しているのだろうか。

Get Back Part 3 69.1.26-1.31 2:18
あと3日後に設定(天候により1.30に延期)されたルーフトップ・コンサート。スタジオでは仕上がりをどうするか、どの曲をどうするか緊迫したやり取りが続く。そして、最後のライブ。

Get Back※
Get Back
I Want You
Don’t Let e Down*
I’ve Got A Feeling※*
Dig A Pony
One After 909※*
Dig A Pony※*
Got Save The Queen
I’ve Got A Feeling
Get Back〜Don’t Let e Down
Get Back※
※:1970映画
*:シングル、LP、2021Super Deluxe

本番になると本領発揮したライブができるなんて流石だ。シングルやアルバム収録はいいところを繋げているみたいだけど、ライブ映像は無編集。”I’d like to say thank you on behalf of the group and ourselves, and I hope we passed the audition.”というジョンのジョークはデビュー前に様々なオーディションを受けた事を思い起こしてしまう。そして、興味深かったのがライブシーンに分割やインサートされる当時のロンドンの様子。特に、若い女性のファッションに注目したい。

Part 1〜3でトータル7時間47分のドキュメント。TVで観た後にベッドのの中でiPad Proでもう一度観ていた。1970年の公開時はもちろん観てたが、こうしてドキュメントとして蘇ったことに感謝したい。散漫な演奏が次第に(追い詰められて)完成度が高くなるプロセス、ジョージの一時脱退、スタジオの空気を一変させたビリー・プレストンの存在、美しいリンダと可愛らしいヨーコ、パティ&モーリン。

個人的には、やはりジョージの姿。ロジャー・ロスマイシルとフィリップ・キュービックという職人が作った全てローズウッドで作られたテレキャス、意外にもレスポール(確かクラプトンからのプレゼント)、ペイントされたストラトも登場して惹きつけられた。Part 3でジョンとの会話(盗み取り風)で、<曲がアルバムを作るほどにありソロアルバムを作りたい>と告白している。このドキュメンタリーでも「Something」「All Thing Must Pass」「Old Brown Shoe」が取り上げられてファンとしてもうれしいシーン。

フィル・スペクターの功績
オリジナルアルバム『Let It Be』、『Let It Be… Naked』も含めて他のアルバムよりも長い間熱心に聴き込んでいなかったのが『Let It Be』だった。それは、フィル・スペクターのオーバープロデュースをポールが認めていなかったせいもあった。ところが、60年代以外のジョージ関連でのフィル・スペクターの仕事ぶりの素晴らしさを認識できた今では、多くの断片的なセッションをアルバムにまとめ上げた功績こそ最大に評価されるべきではないかと考えている。

それは。今年リリースされた『Let It Be Special Edition / Super Deluxe』を丹念に聴けば一目瞭然だと思うし、5枚組中4枚目の「グリン・ジョンズ・リミックス」(69年5月バージョン)と比較しても同じことが言えると思う。今年、コロナ合併症で刑務所から搬送された病院で1/16で亡くなったフィル・スペクターが聴いたら、ジョージの『All Thing Must Pass』BOXと共に、どう感じただろうか…。

Desney+
映画公開が独占配信に変わってどんなものか最後の最後まで迷っていたのがDesney+への加入。ディズニーもマーベルも全く興味がないのでこのDLしたこのドキュメントを何度か観終わったら解約の予定。気になるのはいち早く『サマー・オブ・ソウル』がUPされている点で、今後音楽関連に力をいれていくのかどうか気になっている。

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