疑いと禁じられた愛
事件を追う刑事と被害者の妻。交差しないはずの二人に生まれた感情は愛と呼べるのだろうか。「親切なクムジャさん」で私の心をとらえたパク・チャヌク監督の新作は、タン・ウェイとパク・ヘイルの浮遊感のある演技がとてもよく、不条理な話を独特のビジュアルで魅せてくれる。パク・ヘイルがしきりに目薬を指していたり、タン・ウェイの多重な人格、離れている二人が同じフレームの中に寄り添うかのように映し出されていたり、どの画面を切り取っても異様なほど美しい。
中国から不法滞在しているタン・ウェイは韓国語では込み入った話はできず、iPhoneの翻訳アプリを使って会話。メモがわりのApple Watchのボイスメモの多様。Appleファンとしても思わず嬉しくなる。
迷走を続けていた愛は突然に終わろうとして、そのラストシーンが残酷なまでも美しく、イ・ビョンホン主演の「甘い生活」でもカメラを回していたキム・ジョンと知って納得。
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