スパイシーカレー魯珈ストーリー 冒険小説のような展開で一気に読ませながらも何度でも読みたくなるのはスパイスが効いているからなのかな

はじめに〜開店日の話〜だけでぐっと来てしまう
今、個人的に一番注目しているのが魯珈さんの齋藤絵里さん。どんな料理をどのようにして作っているのかは、前に紹介した「魯珈のスパイスカレー本」で色々と想像してワクワク。そして、こちらの方は、いかにカレーに目覚め~生涯の仕事への決意~一直線ではなく紆余曲折後たった1か月で開店するまでを、冒険小説のようにテンポよくかつスリリング描いている。店が繁盛するやいなやのコラボ(そういえばセブンイレブンのろかプレートはおいしいので3回食べたほど)もドキドキ。最後は、お店を持とうとする人への熱くも冷静なアドバイス。

どこから、読んでも手ごたえ十分。読み終えると、齋藤絵里さんのカレーが食べたくなってしまうから不思議だ。初めは一気に読んで、二度目は気になるところを読んで、三度目はコラムだけ拾い読み、四度目は第8章「お店を始めたい人に伝えたいこと」をじっくりと読んでしまった。

好きな店でも飽きが来る→そのための限定戦略
裏方仕事の大事さ
カレーとラーメンの共通点
人の命を預かるということ
コミュニケーションが大事

カレーへの歴史の中に、渋谷ボルツやムルギーカレーが紹介されている。私も学生時代には、原宿渋谷のレコードや巡り後に寄ることが多かった。特に、ムルギーは近くにブラックホーク(ロック喫茶)があり両方ともよく通っていた。

カレーとラーメンの関係も興味深い。大好きな荻窪の吉田カレーは、四谷荒木町のがんこラーメンの常連さんに教えていただき、恐る恐る行ってハマってしまった。その吉田さんをがんこの列で見かけることもしばしば。また、メニュー表示にがんこでの悪魔~不純~上品などのキーワードがあったりして、リスペクトしているのかなぁと想像(怖そうだけどお茶目なのかなとも)。

そういえば、知り合いに飲食関連の方がいて、フレンチシェフ、フードコーディネーター、オーベルジュのオーナー夫婦、ラーメン店店主、鮮魚店…。華やかな世界に隠された裏側を見てしまう=知ってしまう事が多い。第8章にもあるように、飲食は表から見るか裏から見るかで180度違う世界。裏の努力が表の世界を輝かせる。そんなことも、この本で再認識してしまった。(自分自身裏の努力が足りないのではと反省)

紹介されていた「ニッポンカレーカルチャーガイド」は図書館で借りて読んでみたけど、魯珈さんと吉田カレーが並んで紹介されていて、なんかうれしくなってしまった。

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