コンビーフの思い出
幼い頃魚が全く食べられなかった。仕事でほとんど家にいなかった父親がようやく休みが取れて海沿いの旅館へ家族旅行。あいにくの雨、どこの海岸だったか全く覚えていないが、海の足元は石だらけ。夕食は海鮮。生魚が全くダメで、持参したコンビーフ缶を出したところ「宿の人に悪いから」と引っ込められた事を妙に覚えている。枕形型の缶を巻き取り鍵で開けるのが妙に楽しかった。当然ながら有名なリビーではなくノザキだったはず。(映画『雨の中の慾情』ではリビーの缶が整然と並んでいた印象的なシーンがあったけど)
今や、リビー缶を探すよりも千駄木の腰塚のコンビーフがより身近でしかもおいしい。有元さんのレシピから、シャキシャキ感を残したタマネギにほぐしたコンビーフを炒め、仕上げにほうれん草を和えただけのパスタ。味付けはコショウだけというシンプルなおいいしさ。時間がない平日の定番になりそうだ。
今気がついたけど、「忙しからできないではなく、どうしたら忙しくてもできるかを考えてみましょう」というコンセプトだったのがこの本だった。
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