ネビュラロマンス 全編 レトロスペクティブを超えた記念アルバムの3人の声の混じりあう神秘がとても気持ちいい

結成25周年、メジャーデビュー20周年を記念した初のコンセプトアルバム
かしゆか商店のことを思い出しながらBLOGを書いているうちに、急に昨年秋にリリースされた『ネビュラロマンス 前編』のことが気に掛かり、聴き始めたら今では遅まきながらヘビロテ。前作までは常に究極的だったので、時として息苦しくなった時もあったが、このアルバムはバックよりもボーカルがグッと引き出されていて私好み。

最近の3人の声はエフェクトなしの生声。それぞれの個性がソロで歌う時に、誰の声だろうかと探る楽しさと同時に重なった時に生まれる第4の声がとても気持ちいい。単にユニゾンではなく、左右から別の声が重なることによって=しかも微妙にずらすことによって生まれた揺らぎが、それぞれの個性が際立たせているように聴こえる。技巧と歌唱力を駆使した歌が溢れる中に、このサウンド創りの独自性がPerfumeの最大の魅力だと思う。

アルバムのコンセプトは宇宙。ネビュラとは星雲、そのどこから地球やってきた3人を巡る映画の架空サントラ。「音楽と人」のインタビューでは既に後編のレコーディングも始まっているようで、アルバムリリース後に配信限定シングル「Human Factory – 電造人間 -」「ネビュラロマンス」は後編に収められるのだろうかと今から楽しみ。特に、「ネビュラロマンス」は1曲目ではないかと想像している。

サブスクの時代、私もほとんどApple Musicで音楽を楽しんでいるが、好きなアーティストの限定版だけはフィジカルで。封入されているスペシャルブックレットは、サイズ感もまるで架空映画のパンフレット仕立て。Perfumeの3人は地球防衛軍「NEBULA」に所属。PVでキキモが操るコンピュータの画面が昔のMacintosh風(1984年デビュー)で思わずニヤリとしたり、ラストシーンでのロボットアミーの謎、かしゆかの二丁拳銃にときめいたりしている。