
橋幸夫 1943.5.3-2024.9.4
学生時代、確か渋谷の路上で橋幸夫に遭遇。周りに強面の男達に囲まれ黒塗りの外車から颯爽として降りてきた姿に独特のオーラがあり、自分と全く縁のない世界の人間なれども強烈なショックを受けたことを今でも鮮明に覚えている。数々のヒット曲があり、主にTVで見ていたが、歌の上手い人だなぁといつも感心していた。アルツハイマー型認知症になってステージを引退したと知ったあと、復活した姿もニュースで何度か見て、さほど音程も狂っていなかったのは流石だと感心していた。

厚家羅漢こと大瀧詠一さんがリマスターしたリズム歌謡を集めたアルバムをCD棚から見つけiPhoneで聴いていたら訃報が届いた。60年デビュー以来様々なジャンルを歌っていた橋幸夫だったが、ごく短い期間にサーフィン、ホットロット、スイム、アメリアッチと流行りのリズムを取り入れていたなんて驚きだ。一番はじめの「恋をするなら」のサビ♪AAA III EEO AIO はちょっと意味不明だけど、つい口ずさんでしまう。
リズム歌謡のラストが「恋のメキシカンロック」だ。シングル盤のジャケットは豪華見開きで、中川五郎先生のリズム解説(メレンゲとロックンロールの混合体と説明)と足型付きのステップ解説付きには恐れ入ってしまう。一連の作詞はビクター専属の大御所佐伯孝夫(当時62歳)、作曲は吉田正(当時43歳)、リズムは様々でもやっぱり都会派の吉田メロディーになっているところに60年代の歌謡曲の秘密もありそうな気がしている。