原発を止めよう 引抜された安定ヨウ素剤、その行方…安定ヨウ素剤について

知り合いの新居へ建物探訪したときに原発に80%電力を委ねている国から送られた安定ヨウ素剤を見せてもらいました。海外から、今回の原発事故に対して(政府や東電の対応が危機的な状況をさらに悪化させていることも含めて)悲観的な(悲劇的な)見方をされています。「どうしてまだ日本=東京にいられるの?」「さっさとこちらへ来るべき」…メールや電話がひっきりなしに届いているそうです。お菓子と一緒に安定ヨウ素剤も送られてきたそうです。ところが、荷物はストップがかかり「これは一人分だけ」と言われて、一人分以外は没収されたそうです。薬の個人輸入に制限があるのか不明ですが、没収された安定ヨウ素剤は、いったいどこへ消えていったんでしょうか….。

そんなわけで安定ヨウ素剤について、もうひとつおさらいしてみます
原発事故で放射性物質が放出されます。原発内の燃料棒が核分裂して出来たものです。基本的にウラン235に中性子がぶつかり、そのために核分裂。そのエネルギーを発電に使います。235個が分裂して131個の構成になるとヨウ素131になります。ヨウ素131は甲状腺に直接被害を与えて甲状腺ガンの原因となります。

人間の体は自然界のヨウ素を一定量まで取り込むように出来ています。特に、幼児や妊婦は発育盛りですので積極的に取り込もうとします。ところが、放射性ヨウ素131も同時に取り込もうとします。このために、安定ヨウ素剤(ヨウ化カリウムKI)によって一定のヨウ素を事前に取り込んでおけば、それ以上ヨウ素を取り込まないようになります。チェルノブイリ原発事故でも、 安定ヨウ素剤を配布された地域では、その後の甲状腺ガンになる確率が低くなりました。そのために、原発事故の場合は原発からの距離にかかわらず、安定ヨウ素剤を配布する必要があります。ただし、安定ヨウ素剤は万能ではないので以下の注意が必要です。

【注意】
1.効力は甲状腺のみ(セシウム137、ストロンチウム90、プルトニウム239には効力はなし)
2.放射性ヨウ素131が体内に入ることを防止するのみで、甲状腺以外の部位には効力がない
3.効力は24時間
4.一度放射性ヨウ素131でダメージを受けた甲状腺には効果なし
5.接種のリスク(ヨードアレルギー、皮膚疾患・皮膚炎がある場合(表皮水疱症・蕁麻疹様血管炎))
6.風邪薬や胃薬のように飲むと治るワケではない

何人かの人に安定ヨウ素剤のことを話しましたが、これを飲めば大丈夫と思っている人ばかりでした。以上のように、甲状腺だけに効力があるものです。また、一旦取り込まれた放射性ヨウ素に対しては効力がありません。しかし、原発事故があった時には、まず先に成長中の幼児には必ず接種して欲しいものです。因みに、浦安市役所へ電話確認しましたが、安定ヨウ素剤の備蓄はないそうで、最寄の医療機関へ問い合わせて下さい、とのことでした。どうやら、自己防衛しないといけないようですね。

そのような方は、Allvision. Inc あたりに問合せをしてみるといいと思います。サイトも、分かりやすく安定ヨウ素剤について詳しく書いてありますので参考になります。私も、こちらで手配しています。
http://www.iosat.info/index.html

それにしても、避難区域の子供達、ホットスポットの子供達に安定ヨウ素剤は適切に配られているのだろうか。
それが心配です。

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