今年はなんといっても志ん朝さんの「大須演芸場」につきます
肩の力を抜いた高座。マクラも、楽屋話、志ん朝さんの女性観、アクシデントで消火器が作動(火事息子)したり、体調が悪いとぼやいたり、普段の志ん朝さんの落語はこうだったのかと思わせるものばかり。緊張感はあまり感じさせないにしても、噺に入るとやっぱり志ん朝さんの世界。初めて聴く噺もありますが、その多くはこれまで何度も聴いてきたおなじみのものばかり。前の日の酒が残っていてトロトロっとしたやり取りが、次第にスピードアップしていく瞬間のスリル、昇りつめたところでストンと落とされるサゲに何度泣かされたことか…
ライブは、50周年を迎えたエル・グラン・コンボとビーチボーイズの来日
もちろん、50年間ファンを続けているわけではないんですが、活動の半分以上を応援していただけに、そのステージを目の前にして感極まるものがありました。そして、私にサルサを教えてくれた河村要助さんのイラスト集のリリースも、関係者のご苦労も忍ばれるほどです。
SNSDやKARAの日本企画は商売が見え隠れしてクォリティーが低いのが目立ってしまったのが残念でした。その代わりに、SNSDの2011年韓国ツアーのDVD(韓国版)は、日本アリーナツアーと同じ内容ですが、メンバーのソロも含めてほぼ完全収録〜メイキング付きで、これだったら日本製作の日本アリーナツアーのBlue-rayはいらないんじゃないかの内容。SNSD関連では、ティパニ、テヨン、ソヒョンのユニットTTSが「BOYS」以降の空白を十分すぎるように埋めていました。そして、3013.1.1にリリースされるシングル〜アルバムに期待です。
今年は韓国に寄せる思い以上に、ブラジルから届けられる歌声に心ときめいてました。特に、カエターノ・ヴェローゾとのライブツアーも気になっていた、マリア・ガドゥの新譜が特に良かったです。ブラジルの…というよりもひとりの表現者としてこれからも期待していきたい数少ない人です。また、ルーマーの歌声も心に響いてました。
2012年に節目を迎えるミュージシャンがこぞって記念アルバムをリリースしていたのも目立ちました。ジョニ・ミッチェルの1968-1979間のオリジナル・アルバム(紙ジャケット)のBOX化は、一枚あたりの単価を考えたら手軽にジョニ・ミッチェルを知るには欠かせない内容。こう思いながら、こうした形でのCDとしての商品の今後はどうなるのか考えさせられてしまいます。25周年目の森高千里の、YouTubeでセルフカバー200曲をUP中もますます楽しみです。
成瀬とキリンジの再発見
DVD化されている成瀬巳喜男監督の映画をたてつづけに見ていた頃と、キリンジの良さを改めて知ったこととも今年の大きな収穫でした。政治や経済が どこか恣意的な動きをしている中、成瀬やキリンジの持つどこか普遍的な部分に惹かれていたことも事実です。
さて来年は、自分の価値観をひっくり返してしまいそうなものに出会うことができるのだろうか。期待半分不安半分でもあります…。
●アルバム
・Mais Uma Página / Maria Gadú
・O Que Você Quer Saber De Verdade / Marisa Monte
・Recanto / Gal Costa
・Eba Say Ajá / Cheo Feliciano & Rubén Blades
・Homenaje Al Bailador / Ralphy Santi
・MIDNIGTH RUMBA / WILLIE NAGASAKI
・THAT’S WHY GOD MADE THE RADIO / The Beach Boys
・OPUS ~ALL TIME BEST 1975-2012 / 山下達郎
・Boys Don’t Cry / Rumor
・TTS / Twinkle
●ボックス
・大須演芸場 / 古今亭志ん朝
・The Fame Studio Story 1961-1973
・Studio Albums 1968-79 / Joni Mitchell
●ライブ
・エル・グラン・コンボ
・ビーチボーイズ
・ウィリー・ナガサキ
●DVD/Blue-ray/映画
・成瀬巳喜男の全て(DVD化されているものの全て)
・2011 Girls’ Generation Tour(韓国版)
・ひみつのアッコちゃん
・ヘルタースケルター
・The Dark Knight Rise(キャット・ウーマン見たさに)
・森高千里公式チャンネル(200曲セルフカバー)(YouTube)
●本
・河村要助の真実
・森高としか言えない / 小貫信昭
・レッキング・クルーのいい仕事 ロック・アンド・ロール黄金時代を支えた職人たち
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