Salsa con Sabor,Sentimiento y Ritmo #30 Johnny Pacheco 1935.3.25-2021.2.15 サルサの父を失った喪失感

ラテンピープル初のレーベル
ドミニカ出身、アコーディオンとタンボラーを捨ててN.Y.らしいラテンを生み出したジョニー・パチェーコが選んだのはシンプルなソノーラ形式。その後の活躍はサルサファンなら誰でも知っているとおりで、ファニアの副社長として、プロデューサ的として、サルサがあるかぎり父のような存在だった。

突然の訃報を知ってしばらくは呆然としてしまった。時折見かけるYouTubeの動画でも体調がすぐれないのが分かっていたが、やはり大きなものを失った喪失感に包まれている。伸び盛りの姿は、もう何度観たか分からないほどチータの映画で偲ぶことが出来るが、特に若きイスマエル・ミランダの横でフルートを吹く姿に涙。

そして、思いつつままに棚から選んだアルバムに朝から浸っている。プエルトリコの想いも深いメロンとの共演、三人のフルート奏者をハビエル・バスケスがまとめたセンティミエント溢れるアルバム、コクと滋味がじんわりくる往年のコンビ(メレンゲが1曲)、名曲名演奏のセリアとの共演。優れたプロデュース力に見え隠れする塩辛いコロ、フルートの躍動がたまらない。

悲しいなぁ…。


気を取り直してファニア創立時期を振り返る。専属はパチェーコだけ、したがって5枚のリリースから始まった。ファニアの1stアルバム『Cañonazo』の裏ジャケットのの解説も、とにかく色々変わったんだゼ、と鼻息も荒い。

EL GRAN PACHECO
Sound, Rhythm, and Change…… three words that seem to go well with JOHNNY PACHECO.
The Sound was Charanga, the Rhythm was Pachanga, and the Change was welcomed by dancers around the world; but this is a restless world of innovations, and the most restless od all is JOHNNY!

Change the Sound, Change the Rhythm, change the air with musical energy…. the flute becomes drums, the violins become trumpets, blend in voices, and the metamorphosis is complete.

FANIA Records is proud to launch this new sound which is being presented yo you, the listener, by JOHNNY PACHECO!

RHONY SANCHEZ

1964 Cañonazo(Pete “Conde” Rodoriguez)
1965 Te Invita A Bailar(Monguito,Chivirico Davila)
1966 Viva Afroca(Monguito,Chivirico Davila)
1967 Sabor Tipico(Pete “Conde” Rodoriguez)

1stはピート・コンテだったけど、2nd〜3rdのモンギートとチビリコ・ダビラもまたいい味わいだ。こうしている内に夕暮れになり、段々と悲しみと楽しさがないまぜになってくるから、サルサは愛すべき音楽なんだな、とつくづく。
(2021.2.16 17:35追記)

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