青豆とうふ 和田誠さんと安西水丸さんによるお互いの文章とイラストのしりとりをくすくすしながら読んでいたらショーン・コネリーが観たくなった

ハゲの話で始まりハゲの話で終わる
ハゲ→カツラ→建築家→フランク・ロイド→理科室の人体模型→山口百恵→スノードーム→ワールド・トレード・センター→キングコング→お小遣い→英語向きの声→来日したシナトラとビートルズ→芸の話→学生時代の歌→得な人柄→京都好き嫌い→ファン→ジェイムズ・ステュアート→マルクス兄弟→粋な計らい→映画で観た景色→俳優の歳のとり方→ハゲの話

とにかく話がおもしろい。重くもなく軽くもない、タメになるわけでもないが、妙に心に残る話だらけ。シナトラが「サムシング」をジョンかポールの曲と誤解していた話はやんわりと否定されているし、サミイ・デイヴィスが医者から体重を減らすように言われた時に指輪をたくさん外したとか…くすくすしながら読んでいて楽しい。

ショーン・コネリーは「カツラはもううんざりだ、ハゲの方がいい」と言っていたし、ボンド時代もすでにカツラを付けているらしい…これが初めの話。…ショーン・コネリーも老けて良くなった役者だ。(007)を卒業してから一段と演技者としての柄が大きくなってきた。禿頭を堂々と見せて、それがサマになっているのも大したものだと思う…で締める。

村上春樹さんのあとがき
小説現代の連載が2001.5〜2003.4、単行本後文庫が2011年。村上春樹さんが単行本のあとがきを書いていて、今回の文庫(2021.5)にもあとがきを書いている。2011年には存命だったお二人が2021.5時点では亡くなっているとは。村上春樹さんの装丁ではお二人との関係が深いだけに心にしみるあとがきになっている。

そして007シリーズ
別にカツラが気になったわけではないが、ショーン・コネリーのボンドを観始めたら止まらくなってしまった。日本ロケの「007は二度死ぬ」はあまり面白くなかったけど、それから20年後の「アンタッチャブル」でのショーン・コネリーの姿はとても味わい深く素晴らしい。

ドクター・ノオ(1962)
ロシアより愛をこめて(1963)
ゴールドフィンガー(1964)
サンダーボール作戦(1965)
007は二度死ぬ(1967)
アンタッチャブル(1987)

列車内のアクションとサスペンス(オリエント急行)とダニエラ・ビアンキの魅力にため息の「ロシアより愛をこめて」が一番好き。それ以降は話が仰々しくなり密度が薄くなった分、ボンドカーや様々な秘密兵器が見せ場を作っている。それでも、登場するたびにぼやいてばかりのQ、典型的なイギリス美人のマニーペニー(ロイス・マクスウェル)の登場するシーンは毎回楽しめる。特に、ミス・マニーペニーの衣装(目の冴えるようなブルーのセーター、海軍制服)にも注目したい。そして、何よりユーモア溢れてチャーミングなショーン・コネリーが素敵だ。

ダニエル・クレイグに酔う
10/1公開の「ノー・タイム・トゥ・ダイ」への復習予習も兼ねて、4作を一気観。

カジノ・ロワイヤル(2006)
慰めの報酬(2008)
スカイフォール(2012)
スペクター(2015)

エヴァ・グリーン、ナオミ・ハリス、レア・セドゥの魅力、若いQ(やはり、元通りに返してほしいとぼやく)、新ミス・マニーペニー、DB5、DB10。脈々と受け継がれていく世界観。これもまた、「青豆とうふ」のように「しりとり」になっているのではないだろうか。

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