同時期に久振りにクリスマス・アルバムをリリースしたエル・グラン・コンボとソノーラ・ポンセーニャから届く喜び

なんと36年ぶりのエル・グラン・コンボ
新生エル・グラン・コンボの底力を改めて知った今年リリースの『En Cuarentena』の勢いそのままの36年ぶりのクリスマス企画。疾走する中にも程よくクリスマス臭を感じさせるところは流石だ。

El Gran Combo en Navidad 1966
El Gran Combo 5 1973
Los sorullos 1975
Nuestra música 1985

全アルバムタイトルが「隔離」だったけど、今回は「喧騒、群衆」。1曲目から吹っ切れて快調なサウンドにワクワクしてしまう。は先行シングルの「No Hay」の底抜けに元気な姿をみて安堵。まだまだ元気いっぱいなラファエル・イティエールのコメントは<この作品では、一年の中でも特に重要な時期に、私たちの人々やフォロワーの皆さんにささやかな喜びをお届けしたいと思っています」と語っています。ハリケーンや地震、そして今回のパンデミックなど、様々な出来事を経験してきた私たちは、今こそ人々に喜びを与えるべきだと考え、この作品の制作を引き受けました>

そして、13年ぶりのソノーラ・ポンセーニャ
エル・グラン・コンボとは違い島のリズム〜サウンドを中心としているのがソノーラ・ポンセーニャ。クリスマス企画は4枚目13年ぶり。パポ・ルッカのコメントは<私たちが常にお客様に提供したいと考えているサウンドと音楽の質を忠実に反映したレコードを発表したいと思いました>とあり、いつも通りコクがあり濃厚な味わいが素晴らしい。

Navidad Criolla 1971
Merry Christmas 1991
Otra Navidad Criolla 2008

「Mucho Amor y Paz」はこれしかないほどのサミー・マーレロ節にパポ・ルッカのピアノがとても気に入っている。そういえば、サミー・マーレロってラフィー・レアヴィ時代の曲を遺族から禁止されていると聞いていたが、今はどうなんだろうか?その意味でも、久振りに声が聴けてうれしかったと共に安堵。

ところがこの曲『Otra Navidad Criolla』の再録〜しかも途中のクアトロソロをカットしたヴァージョンではないかと。そうなると、YouTubeでクレジットされているサミー・マーレロではなく、元のダニー・ダヴィラではないかとさっきから聴き比べしている次第。これ新譜のCDのクレジットを見ない限り謎。→Facebookからの指摘でサミーではなくラウル(作曲)、声が似ているのですっかりその気になってしまった…。

こうして長い間活動しているバンドが揃ってクリスマス企画をリリースした背景には、コロナへの閉塞感などをなんとかして振り払いたい願いのようなようなものが働いている用に思える。WHOのサイトには確かに収束に向かっているようだけど、南アフリカで確認された新たな変異ウイルス「オミクロン株」の影響も考えると油断できない状況が続きそうだ。

世の中色々な意味で不穏な状況が続いているが、この2枚で届けられた喜びを大事に生きていきたいと思う。いつか河村さんが「人生の応援歌」と話していたことを思い出している。

1件のコメント

Raphy Leavittの遺族とSammy Marreroの訴訟は、2021年8月21日に判決が出たようで、「Raphy Leavittによって設立されたオーケストラの元メンバーとミュージシャンに5万ドルの総額を相続人に支払うように命じる。さらに、この判決は、Raphy Leavittが作成した曲の無許可の録音、コピー、複製の破壊を命じ、元メンバーがライセンスや許可なしにプエルトリコと米国でそのような構成を再実行することを禁止する。」という、Sammy Marreroにとって厳しいものになったようです。
https://www.metro.pr/pr/entretenimiento/2020/08/27/exintegrantes-la-selecta-tendran-pagar-50000-familia-raphy-leavitt.html 
その後Sammy Marreroを支援するコンサートが開かれたと記憶していますが、詳細は分かりません。(トロピカル通信2.0 松原)

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