愛蔵版 お楽しみはこれからだ(国書刊行会)

私を映画好きにさせた1冊
映画が好きでも、当時はなかなか観ることができず歯痒い思いをしていた時期には、小林信彦さん(最近では本音を申せばシリーズ)、渡辺武信さん(日活アクションの華麗なる世界)を読んで想像しながらも観た気になっていた。映画の見方や背景も知ることが多く、和田誠さんの『お楽しみはこれからだ』を初めて手にした時には、驚くとともに随分影響を受けてしまった。

映画の評論というよりもむしろ、映画のセリフをきっかけに映画話を広げていくスタイル。和田誠さんの映画体験談がセリフと独特のタッチのイラストで描かれている。リアルタイムで読んでいたのはPART3ぐらいまでだったと思う。

たまに行く本屋で『愛蔵版 お楽しみはこれからだ』として復刻されたのを知ってとても喜んでしまった。ケースに入って、内容は当時そのままがまずうれしい。また、各巻には栞として村上春樹をはじめとしてコメントが添えられている。特に印象的なのはPART3の平野レミさんの「この47年間、和田さんは私の顔よりも映画を見ている方が長かったんじゃないかしら?」という言葉に深い愛情を知った。その和田さんが、使ってみようと思ったけど使わなかったセリフとして、次を紹介しているセリフ、もしかしてやっぱりレミさんにだけ使っていたのではないかと想像している。

 君はとてもいい匂いだ
 私は香水をつけてないわ
 洗いたてのハンカチのようだ

残念ながら詳しく読んでいないPART4〜7をこれからじっくり読んでみようと思う。そして、VTR…というよりもamazonやNETFLIXなどの配信で観てみたい。

お楽しみはこれからだ 1975
お楽しみはこれからだ PART2 1976
お楽しみはこれからだ PART3 1980
お楽しみはこれからだ PART4 1986
お楽しみはこれからだ PART5 1995
お楽しみはこれからだ PART6 1996
お楽しみはこれからだ PART7 1997

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