青森 工藤正市写真集1950-1962

忘れかけていた風景
とある場所でプチお留守番。部屋の隅々に個性的な空間があってとても居心地が良くどこかホッとするので大好きな部屋だ。少しお留守番してて、と言われて手渡されたのが『青森』という写真集。アマチュアカメラマンだった父親が死んだ後に遺品整理していると出てきた写真がとても素晴らしかったので写真集として出版(2021.9.16 みすず書房)。

青森という場所と仙台
叔母が住んでいたのが青森。一度だけ中学生の時に行っただけの場所だが、青函連絡船の圧倒的な姿とどこか寂しげな港だけは今でもはっきりと思えている。この写真集は青森市と中心とした県内の風景と市井の人々の姿を、ある種の愛情を持って描いている。女の子はおかっぱ、男の子は短髪で屈託のない笑顔を浮かべていたり、労働していたり。素朴なヘアースタイルの女性たち、無骨な男たち。橋の下の営み。

自分が幼い頃に仙台で見ていたのも同じような風景。道路はどこまでも広く、市電の中継場所のスパークス、父親とのキャッチボール、妹と手をつないで通った通学路、相馬から来ている行商のおばさん。電話を借りに行った時の大家さんの明るい廊下。舗装されていない路地裏にあった木の蓋のついたゴミ箱の中身は一体誰がどうやって回収していたのだろうか。巻末にある青森の地図を見ながら、ベージを行ったり来たりしながら様々なことを思い出してしまった。

やはり、クリエイティブな人にあって刺激を受けるって大事だと痛感してしまった。

◾️shoichi_kudo_aomori
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