グループサウンズ / 近田春夫

たった5年間のGS時代とは何だったのか?
日本のロックの先駆け?所詮歌謡曲?少女趣味の歌詞にミリタリールックはかっこよかったのか?…最近色々考えていて出会ったのが近田春夫さんのこの本。たった5年間(昭和41〜45年、1966〜1970年)のGS時代を、重箱の隅をつつくようなマニアックな手法ではなく、メインのグループの生い立ちから消滅までを丹念に検証。そのグループは、

ブルー・コメッツ
ザ・タイガース
ザ・テンプターズ
ザ・ゴールデン・カップス
ザ・ジャガーズ
オックス
ザ・ワイルド・ワンズ
ヴィレッジ・シンガーズ

デビュー前はロック(ビートルズではなくアニマルズやストーンズ)やR&Bを演っていたのに、デビュー曲はオリジナルではなく与えられた曲。しかも大甘でロックとは呼べない曲が多く、まるで歌謡曲。個人的にはこの頃にはすでに洋楽にハマっていたのでGSはTVで見るだけだったけど、今妙に気になっていた。

ブルコメは一発屋だったと大胆な発言が痛快だ。ジュリーとショーケンの対比には改めて思うことが多かった。ブーム以降にデビューしたバンドは、ロックやR&Bへのこだわりがなく既にデビューしたバンドを手本にしていたとは。

この本で再発見したのがザ・ジャガーズとオックス。本からピックアップした曲でプレイリストを作ってみたが、この二つのバンドばかりを繰り返し聴いている。中でも筒美京平さんの「ダンシング・ロンリー・ナイト」「ダンシング・セブンティーン」のスタックスサウンド、「星空の二人」のモータウン的解釈は今聴いても十分に新鮮だ。「バラ色の雲」の作曲家も筒美京平さん、ということで筒美京平さんへの興味が再び。

—-
小林信彦さんが脚本をしているジャガーズの映画をprime videoで。内容はとっからかっていて荒唐無稽だが、ジャガーズのヒット曲満載(演奏シーン多数=口パクだけど)。なんと、中村晁子の「虹色の湖」、てんぷくトリオも楽しめた。(2023.8.29 4:56追記)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です