エンジン鈴木名編集長との会話
これまで聴いてきた音楽に対しては、真逆のアプローチから存在してきたためか、私自身坂本龍一に対しては過度の思入れがない割に、何かと気にかかる存在だった。その真逆のアプローチはどこからきてどこへ向かおうとしていたのかを解き明かすのがこの本。
かつて車雑誌なのに他と違うセンスで魅了していたのが『エンジン』という雑誌。鈴木編集長が在籍していた時は、毎月欠かさずに読んでいた。随分前に、甘粕りり子さんとの対談にも出かけて行って、対談後に色々と質問させてもらったことをよく覚えている。その『エンジン』に2007.1〜2009.3に連載されたインタビューをまとめたのがこの本だ。鈴木編集長の聞き出しが上手なのか、思ったほどに饒舌に語られる内容に一気に読んでしまった。単行本では下部に丁寧な注釈が記載されていて読み応えも十分。単にミュージシャンとしてではなく社会に対しても反骨精神を持っていたワケもよく分かる。
達郎さんと出会い、大瀧さんを紹介され、細野さんや矢野顕子と知り合う。そして、幸宏を達郎さんから紹介される。この辺りから時代の変わり目のようなものを感じてしまった。熱心なファンではなくても、ジョビンの家でモレレンバウバウム夫妻と制作した『CASA』(2001)はよく聴いていた。この本を読みながら、好きなアルバムを聴き偲んでいる。
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