ボビー・チャールズ 極楽の歌 In a Good Place Now: The Life & Music of Bobby Charles

普段の会話が歌になる
私の音楽嗜好を変えたのが、ボニー・レイトの2ndとボビー・チャールズのソロ。共に1972年のリリース。べアズヴィル在住のミュージシャンが創り上げたサウンドや歌声に夢中になってしまい、アルバムにクレジットされたミュージシャンを探し、様々なアルバムを集めていた。トッド・ラングレンのソロは入手が困難で、そのトッド・ラングレンがプロデュースしたグレイト・スペックル・バードにはエイモス・ギャレットがいて、そのアルバムに写っている水辺がボビー・チャールズのジャケットにも同じアングルで写ってるのを見つけてはニンマリしていたものだった。

ボビー・チャールズの映画が上映。にわかには信じられない話で驚いた。「She You Later, Alligator」から始まるキャリア、ファッツ・ドミノ、クラレンス・フロッグ・ヘンリーへの曲提供までは知っていたが、チェス解雇〜その後ウッドストックまでの足跡、ウッドストック以降の足跡は詳しくなく、映画で再確認できた。業界で当たり前だった著作権の搾取にもめげず、素晴らしい音楽を作り続けた姿に感銘を受けてしまった。映画は、なんでも、楽曲使用料の関係上30秒以上使えず、インタビュー中心になってしまったらしいが、エイモス・ギャレットやドクタージョンが出てきて、思わず前のめり。あれほど芳醇な音楽を創造していたウッドストックがドラッグなどで変貌していく話しも生々しく悲しい。

普段の会話が歌になり、それが真実を突きながら飾らないシンプルな姿がボビー・チャールズの魅力。もう一度、映画を観ながら噛み締めてみたい。

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