完成に向かうプロセスを知る喜び
72年の傑作アルバム『Ziggy Stardust and the Spiders from Mars』のBOXのリリースアナウンスを知ってからは、このアルバムを含め前後のアルバムを聴き直していたのが6月の頃。ザ・バンド周辺〜ベアズビル関連に夢中だったけど私にとってもこのアルバムは特別な存在だった。そして、様々な音楽を聴いてきた今、このアルバムのスゴさを改めて知ることになった。パンクを予感しただけではなく、ヒップホップ感感覚やポリリズムも盛り込んでいること、ギター〜アレンジに大活躍のミック・ロンソンの存在の大きさも改めて感じて、ちょっと夢中。
そして、CDx5+Blu-rayx1の豪華なBOX。未発表の写真、インタビュー、過去の記事満載(日本盤は完全翻訳付き)。ギター一本で弾き語りされる「Star Man」を含み、数々のセッションやギグを重ねアルバム収録曲が完成に向かうプロセスを知ることができる。このプロセスと完成されたアルバムを交互に聴きながら、BOXの記事を読み込んでいる内に数ヶ月経ってしまった。
私が知りたいのはスタジオでどんなことが行われていたかで、CD5部収録に対する共同プロデューサー、ケンスコットがリミックスした音源のオルタナミックス&アウトテイクの解説が読み応えがあった。あえてヴォーカルを外した「Moonage Daydream」のストリングスの美しさと舞い上がるようなミック・ロンソンのギター(今のようにアタッチメントふんだんに使っているわけではなく、ワウワウを目一杯踏んで、ゆっくり開いている技法も素晴らしい)を何度も繰り返している。
印象的な名ジャケットに映っている毛皮業者(K.WEST)の当惑気味抗議書簡、ボウイが抱えている赤のレスポールは借り物だった…などの話も面白かった。同時進行で読んでいた「デヴィッド・ボウイ ジギー・スターダストの神話」も時系列で辿りながら読み応え十分。(ほぼジャケ買いだったけど)
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