片山慎三監督とあいみょんの対談
映画を観るきっかけはこの二人の対談から。片山慎三監督作品は観たことがなかったので、先入観なしで体験したが、夢から夢に流れ、現実がどこまでなのか、迷いながらも瞬きができなかった。あえて情緒を消した男女の混じり合い、ワンカットで撮られた戦争シーンの生々しさ、あるようでないロケ地台湾の街並み、夢や想像と願望の姿であった福子=中村映里子も美しさ。
原作は、つげ義春の「雨の中の慾情」、ほかにも「夏の思い出」「隣の女」「池袋百点会」の要素も交えてあるらしい。つげ義春といえば、ちょうど高校生の頃、雑誌「ガロ」に連載されていたつげ義春の作品を繰り返し読んでいた。「ねじ式 つげ義春作品集(改訂版)」は、初出誌サイズ、「ねじ式」はオリジナル2色バージョンで掲載された定本的集成。半世紀を経て、つげ義春の圧倒的な世界観に打ちのめされそうだ。「チーコ」の奥さん、「海辺の叙景」の出会った女、「紅い花」「もっきり屋の少女」の少女を再発見し読み返している。
『岬の兄弟』(2018)、『さがす』(2022)そして、『ガンニバル』(2022 Disney+)と片山慎三監督を一気に観てしまった。電話が鳴った時、岩礁の上にたたずむ真理子の笑顔(岬の兄弟)、ピンポンをしながら父親を追い詰めていく娘(さがす)の圧倒的なラストシーンが忘れられない。吉岡里帆も含めシーズン2が楽しみな『ガンニバル』(2025/3月〜)。これからも目が離せない。
■片山慎三監督とあいみょんの対談
https://natalie.mu/eiga/pp/amenonakanoyokujo
コメントを残す