ザ・ザ・コルダのフェニキア計画 ウェス・アンダーソンらしさに思わずニンマリ

父親は娘に逆らえない
お馴染みの人がいつもの様な画面の中で、ウェス・アンダーソンらしく表現する。どんなシーンでも、「らしさ」が滲み出てくる。見逃してはならないとかなり集中してて観ていても、全く疲れないのはチャーミングな画面だからだろう。父親役のベニチオ・デル・トロの存在感も素晴らしいが、娘役のミア・セレアプレトンのそっけない態度にほのかなユーモア=ウィットに近いがどうにもこうにも気になって仕方がなかった。

冒頭のスローモションはデ・パルマの様だし、ダンヒルのコーンパイプも粋だった。ザ・ザの屋敷の絵画は本物が貸与されたとは驚きだ。観賞2回目で気が付いたけどビル・マーレーが神役で登場したのを見つけた時は思わずニンマリしてしまった。

ヌバル叔父さんとのやりとり後、計画を示す巨大模型の崩壊。フェニキア計画の結論は親子で営む食堂。店がひけて得意の皿洗い後にウィスキーを飲みながら娘とカード。二人の安らぎの表情がとても印象的だった。ああ、やっぱり父親は娘に逆らえないのだろうね。