伝説のイラストレーター河村要助の真実 40年以上も追いかけている要助さんの世界がひとつにまとまっただけでも感激の一冊

好きなモノは自分で探すことです 
音楽に目覚め、ブリティッシュ・ロックよりもベアズビルやバーバンクなサウンドに傾倒していた私の情報源は、仙台では発売日が遅れて手にすることができる「ニュー・ミュージック・マガジン」でした。小倉エージさんの記事にワクワクしていた私に、要助さんが紹介するロス・マクなどのミステリー、R&Bのコーラスグループなどが乾いた気分を伝えてくれました。ワンダーランドの創刊号でのコニーアイランドの記事と独特の文体にも魅了されていました。

そして、引きずり込まれるようにサルサ=ラテンの世界へ
今でも大切に持っていますが、どんなサルサがいいのかお薦めアルバムを尋ねた返事のハガキには「好きなモノは自分で探すのです」と。そして、月に1回は開かれていたレコードコンサート(サルサ天国)には何度も通いました。大学ノートにびっしりと調べた内容が書かれていて、私も真似をしたりもしました。中目黒の幻のレコード屋「ディスク・マニア」主催のN.Y.ツアーにも参加。ここでも、「いきたい場所は自分で」と、別行動が多かったんですが、幸いにもロス・ベシーノスだけは同行でき、忘れられない夜をもうひとつ重ねることが出来ました。中目黒にあった「ボデキータ」でのパーティーでコンガを叩いていると「もうちょっとリズムに合わせて下さいネ」。ウィリー・コロン初来日の楽屋も同行させていただきました。六本木青画廊での個展では、カセットでエクトール・ラボーが流れていてカセットを持って帰ろうかと誘惑に駆られたり、アラスカ・バンドを追いかけたり、いつもその動向が気になる私にとって影響力の特に強い要助さん(大ファンなので)。

こうして、一冊の本にぎっしりと詰め込まれた要助さんの世界 
一度は先を急ぐように、二度目はじっくりと時間をかけて読んでいる(見ている)内に朝になってしまいました。40年以上も(勝手ながら)身近に感じている要助さんの本はとても大事な本。「サルサ天国」「サルサ番外地」に収められなかったブラック・ミュージック・レビューの突然終わってしまった連載(110回目)も是非復刻して欲しいです。

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