2021年を音楽と映画で振り返ってみるとサブスクの影響とその反動に揺れ動いていた

サルサ〜ブラジル以外の音楽
今年も新譜を買わずに買うのはBOXのみというのが続いている。ジョージ・ハリスン『オール・シングス・マスト・パス 50周年記念スーパー・デラックス・エディション』は充実した内容で全ての意味で意義のあるBOXだった。今年1月に亡くなったフィル・スペクター臭を薄めたつもりでも、やはりフィル・スペクターがいなければこのサウンドにならなかったという意味でもフィル・スペクターの後期が(『Let It Be』も含め)もっと評価されてもいいと思うのが本音だ。

毎年年末近くに発表されるジョニ・ミッチェルの『アーカイヴス Vol.2:リプリーズ・イヤーズ (1968-1971)』は、デビューから4年間を辿る内容。『The Reprise Albums (1968-1971)』と合わせて初期の姿をもう少し内容を掘り下げたいのでしばらくは大事に聴いていきたい。影響を受けた『Hejira』まではあと2年ぐらいかかりそうだけど、ジョニと私の健康が無事であることも色々と考えてしまった。

ブライアンの新譜はなんとブライアンのピアノソロ。Apple Music〜Dolby Atmosで聴き始めて、その素晴らしさに心打たれてしまった。本人のピアノに本人がピアノをダビング。リズム系はサスティーンを押さえ、メロディーはその逆にサスティーンを伸ばした構成。AirPods Proで聴くとDolby Atmos効果的に鳴らしている。まるで、目の前でブライアンが弾いているかのように美しさに目眩がしそうだった。
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今年はよく映画館に通った
Netflixで旧作を一気観し『シン・エヴァンゲリオン劇場版』はIMAXで繰り返し観ていた。秋葉原の「VISUAL WORK」にも出かけ、旧作のパンフレットも取り寄せたほどハマっていた。『決定版日本の喜劇人』の出版に合わせて小林信彦さん自身も監修していた「小林信彦プレゼンツ これがニッポンの喜劇人だ!」にも通いモリシゲの凄さを再確認できたのは大きかった。

『フィッシュマンズ』『イン・ザ・ハイツ』『サマー・オブ・ソウル』『Billie』『SAYONARA AMERICA』『リスペクト』『AMAZING GRACE』などの音楽関連の上映も充実していた。なかでも『アメリカン・ユートピア』の心躍る姿に夢中になり身を乗り出しながらスクリーンを見つめていた。

今月公開されたばかりの短編集『偶然と想像』を観るのが待ち遠しい濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』の独特の浮遊感と多言語舞台劇が生むエモーションが素晴らしかった。そして、圧倒的な映像美と覆いかぶさるかのようなサウンドに圧倒されたドゥニ・ビルヌーブ監督の『DUNE』には、映像と音響を求めてIMAXをグレードアップするはしごをしてしまったほど夢中になってしまった。

音楽以外でもサブスクの存在を強く感じた一年だったが、Netflix限定の待望の『全裸監督 シーズン2』『浅草キッド』、Desney+『The Beatles: Get Back』はサブスクのメリットを生かした配信だったと思う。がしかし、その反動でより大きな画面と音響、そして空間から生まれる何かを求めていた一年だったと思う。そしてなによりも大事なこととして、音楽と映画の話ができる大親友らとようやく会えたのがとてもうれしかった。

映画に関しては、イーストウッド『クライ・マッチョ』(1/14〜)、ウエス・アンダーソン『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』(1/28)が年明け早々に公開されるので、ますます楽しみだ。

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