2021年を振り返ってみると、もしかしてネオソウル的情緒とラテンがメローな形で溶け合っていくのではないかと想像してドキドキ

一昨年以上にサルサ〜ブラジルに向き合っていたのは
サブスクのおかげだと思うが、どうだろうか
数ヶ月前ディスクユニオン新宿4Fに一年ぶりに行ってみると、大幅にサルサコーナーが縮小されていて在庫数も激変。なんだか寂しくなり早々に店を出てしまった。やはりフィジカルではなくサブスクで楽しんでいるのだろうか。また、サブスクのみの発表もあるのだろう。そういう私も2021年に買ったCDは、ジョージ・ハリスンとジョニ・ミッチェルのボックスだけだったりもする。ジャケットをしげしげと眺め、色々と想像しながらアルバムを選ぶ、または試聴する楽しみが本当は好きなんだけどね。それでも、2021年、一昨年以上にサルサ〜ブラジルに向き合っていたのはサブスクのおかげだと思うが、どうだろうか。

まずは、ルイス・ペリコ・オルティスの2013年以来久し振りの新譜
軽やかで透明感のある独特のヴォイスは健在でどこまで伸びていく音色に魅了される。曲ごとにゲスト歌手が変わるのは前作の流れ。どうも最近のサルサは音の隙間に音を入れすぎて、市販のタレで作ったすき焼き同様、途中で飽きてしまいもたれるてしまうことが多く感じちょっと苦手意識もある。一方、ルイス・ペリコ・オルティスのサウンドは、音の隙間から清々しさが吹き抜け、もぎたてのフレッシュな感触にあふれている。。インストメンタルのメローネスにも引き込まれてしまう。
 https://youtu.be/NJMY–PAhdM
 https://youtu.be/_uovJdkxmZI

そして、エル・グラン・コンボ
前作『Alunizando』からチャーリー・アポンテ、贔屓のパポ・ロサリオが抜けアンソニー・ガルシア、ホセリート・エルナンデスが加わる新布陣。微動だにせず、しかも現代風にUPDされたサウンドに圧倒された。タイトル「隔離」に示されているように、コロナ渦で各セクションを個別に録音しながらの、この一体感は流石だと思う。ジャケットのマイクとマスク、裏ジャケのマスク姿、見開いた満身の笑みと青空。このアルバムを聴いた瞬間、私の今年のサルサにはずみがついた。
 https://youtu.be/MmSACElysig
 https://youtu.be/NJMY–PAhdM
 https://youtu.be/TDEleJU9yrY

ソノーラ・ポンセーニャの13年ぶりのクリスマス・アルバム
島のリズムがプンプンするサウンドが素晴らしい。もちろん、ブレイクにみられるらしさも健在。36年ぶりのエル・グラン・コンボのクリスマス・アルバムと合わせ、こうして長い間活動しているバンドが揃ってクリスマス企画をリリースした背景には、コロナへの閉塞感などを、なんとかして乗り越えたい願いのようなようなものが込められているように思えてしまう。
 https://youtu.be/JWP3p9znk_w

Facebook「トロピカル通信2.0」
トロピカル通信2.0は、Facebookでの、サルサを始めするラテン音楽やルンバ・ロックなどのアフリカ音楽に代表される、トロピカル音楽に興味のある人達のためのグループ。80年代中期のミニコミがFacebookで復活。こちらの情報に毎日助けられている。「SALSEO RADIO Top 20」で現地のチャートを知り、「ENCANTO TROPICAL」ではサルサを含めたトロピカル音楽の今を知る。そして、個性的なメンバー達の視野の広さにはいつも驚くばかり。なにより毎回楽しみにしている「私の愛する珠玉のプエルトリコ・サルサ」でのNakahara Maxさんにいつも勇気づけられている。なかでも、大好きなパポ・サンチェスの紹介には思わず泣かされてしまった。
 https://youtu.be/f2qOFuGUWgw
 https://youtu.be/NKiKhED8drs
 https://youtu.be/pOqNLOsTQDE

訃報
今年は、サルサ〜メレンゲに導いてくれたミュージシャンの訃報が多く届いた。ジョニー・パチェーコ(2月)、トミー・ビジャリーニ(5月)、ジョニー・ベントゥーラ(7月)、ラリー・ハロウ(8月)、パキート・グスマン(12月)、マヌエル”マニックス”マルティネス(12月)。とりわけ9月のロベルト・ロエーナは個人的にこたえた。

伝説のレコード店「ラテン・コーナー」で勧められるままに手にした『La 8va Maravilla』をまだ良くわからずに聴き続けているうちに、次の『Apollo Sound 9』も含め変則的リズムの虜になってしまった。その後の『El Progreso』『Looking Out For Numero』のスムーズな展開もお気に入りだった。並行して、コルティーホ〜エル・グラン・コンボに在籍していたルーツも知り、私をプエルトリコ・サルサに導いてくれた忘れられない一人となったのがロベルト・ロエーナだった。
 https://youtu.be/0xYazHq7PnM
 https://youtu.be/O5KGw7TIPt8

そのロベルト・ロエーナの1966〜1994の音源を手堅くまとめていたコンピレーションを企画編集解説していたのが飯田義文さん。9月以降オリジナルと合わせて繰り返し聴いていたばかりなのに、突然の飯田さんの訃報が届くとは。いまでも悲しみでいっぱいだ。卓越した飯田さんの仕事を偲んで、同様のボビー・バレンティンのコンピレーションも忘れられない。
 https://youtu.be/azYbSTSnWoQ

ようやく手にできた
1976〜1977年、サルサのアルバムが日本盤で一斉にリリース。今でいう大人買いもできずそれなりに悩みながら手にしていた。その中で、オリジナルを持っていたのでやむを得ずスルーしてしまったハビエル・バスケス『La Verdad』(1974)。数年間どうしても気になり、当時手にしなかったことを激しく後悔していたが、今年ヤフオフでようやく納得できる価格と最良の状態で出ていたので即ゲット。やけにうれしかった。オリジナルジャケットの淫靡な雰囲気も好きだけど、河村要助さんの渾身のイラストもアルバムの内容を浮き彫りにした大傑作だと思う。
 https://youtu.be/57QGsapkEcw

ブラジルは
さて、サルサ以外に好きなのがブラジル。カエターノ・ヴェローゾのこの新感覚はどこからくるのかと思いながらいつの間にか引き込まれてしまう。夢見るサウンドが躍動するマリーザ・モンチ、リニケルの自由度、スケールの大きいオルケストラ・アフロシンフォニカ。どちらかというと縛りの多いサルサにはない、このブラジルの好奇心の強さに心惹かれる。

こうした動きがサルサにも現れたら新しい時代性も生まれるのではないかと楽しみに想像している。2022年は金太郎飴的サウンドからより情緒的にネオソウル的感情とラテンがメローな形で溶け合っていくと個人的にはうれしんだけどなぁ…。
 https://youtu.be/7oOvVvIo1C0
 https://youtu.be/2FNwaTHW87A
 https://youtu.be/lOt-ZS2QHTc
 https://youtu.be/o7EbfocJFY8