ソリッドでタフな姿
初めての生ボブ・ディラン。2020年の新譜を中心とした構成と聞き大阪公演のセトリを参考にプレイリストを作成して数日間はかかり切り。2012年の『Tempest』以来のオリジナル新譜をタイトルにしたワールドツアー。16分を超える「Muder Most Foul」のつらい濃さもさることながら、どこか温かい手触りが大好きでよく聴いていた。
ところが、目の前のディランと仲間たちが生み出した歌とサウンドはソリッドでタイト。ギターがジャムリ始めると、リズムが同調しピアノが起点となっていく。そしてディランの声。聴きこんだつもりの曲も新しい解釈の前にはなすすべもなく、いやその分前のめりに集中し、歌詞の一節で判断して、あああの曲かと。思っていた以上に饒舌なディランのピアノにぐいぐい引っ張られるようにドライブしていく。終盤近くのデッドの「Truckin’」にハッとしてしながらも心地よかった。最後に、Thank Youの数でディランの状態が分かると言われるらしいが、2曲目には飛び出し、その後3回ほど。
北中さんも指摘していたアメリカーナ的なアプローチが今ディランのたどり着いた心境なのだろうか。これかも、しばらくは当日のセトリに変更したプレイリストを聴きながら過ごしていたいが、今月『ソングの哲学』がリリースされ、その辺の答えがその本にもありそうな気がして今から楽しみだ。
会場の東京ガーデンシアターは2020年に開業。アリーナでなくてもステージが近い配席。建物内動線も分かりやすく家から近くて便利。7月のあいみょんにも期待。そうそう、携帯〜スマートフォンは専用ケース(YONDR)に入れさせられるし金属探知機検査もあるほど警備が厳重だった。
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Facebookを見ていたら「Truckin’」のライブがUPされていることを発見。そういえばこの曲の時やたらノリノリの金髪外人がいたなぁ。でも、いったいどうやって録音したのだろうか…。そういえば、今月発刊される「The Philosophy of Modern Song Songs」にもこの曲が紹介されているけど、どんな風に解釈されているかどうか楽しみ。
(2023.4.14 23:20追記)
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