ザ・ビーチ・ボーイズ 『ビーチ・ボーイズ:ポップ・ミュージック・レボリューション』

好きなビーチ・ボーイズとは
個人的にはビーチ・ボーイズはヒット曲しか知らなくて、ベスト盤を愛聴していたのが70年ごろの話。ザ・バンドやべアズヴィル周辺やJTあたりを追いかけていたので、ブライアン・ウィルソンや『Pet Sound』の素晴らしさを知るのは随分後の話。77年の『Love You』を毎日通っていた吉祥寺のレコードショップ「ジョージア」で強く勧められて、その頃はサルサにどっぷりだったけど愛聴盤になっていた。女性の店員さんが「ブライアンが復活したのよ」とうっとりとしていた事も、その時はピンときていなかった。その後、ブライアンの初ソロをきっかけにして、ブライアンの作った深遠な世界に魅了されて、ありとあらゆる音源やビデオ、そして伝記などを求めていた。

誰もが『Pet Sound』が最高峰と位置付けしていても、マイク・ラブの能天気な歌が炸裂する『Pet Sound』以前の曲も好きだし、徐々に『Pet Sound』に近づいていくサウンドの変化も愛おしい。ブライアンが車中でインタビューを受けながら姿をさらけ出している映画(ブライアン・ウィルソン 約束の旅路)も素晴らしかった。

マイクとブライアンのいるビーチ・ボーイズ、ブライアンのいないビーチ・ボーイズ、マイクのいないビーチ・ボーイズ、よりが戻ったビーチ・ボーイズ。その長い歴史そのものもロックの歴史になっている。今思えば、フラワームーブメントに参加しなかった(できなかった)事も、こうしてバンドとして残っている要因かもしれない。ディズニープラスで独占配信されている、この映画を観ながら色々な事を考えていた。

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