喜劇 とんかつ一代 1963 テンポのよく小気味良さと女優の美しさはじゅわっと揚げたてのとんかつのよう

モリシゲを観るというよりも
脇に回ったフランキー堺、三木のり平、益田喜頓、山茶花究の巧みな演技は観ていても気持ちがいい。淡島千景、池内淳子、団令子の美しさを堪能。池内淳子(当時30歳)はハッとするほど光り輝きドギマギしてしまった。モリシゲと淡島千景のなんとも言えない絡みは「夫婦善善哉」以来多くの共演をしているためか阿吽の呼吸にため息。

スピーディーなカメラワークや構図によって、とかく人情噺になりがちな部分を、カラッと仕上げた川島雄三監督はやはり只者ではなかった。60年代に健康食品として注目を浴びたクロレラ(いまでいうと青汁だろうか)、ソノシート(ミニプレイヤーをソノシートの上に載せて再生)、オリンピック直前の世相描写も楽しめた。長らくDVD化を望まれていたが7/21に発売予定。見逃した方はDVDで是非。主題歌も今だったらセクハラになりそうな歌詞だけど、とぼけていて目に浮かぶようで楽しい。

映画を観たら急に食べたくなったとんかつ
平田牧場エキュート東京店で買ってきてもらったヒレとんかつ。何年ぶりだろうかとんかつを食べたのは。学生時代、三鷹台(あの立教女学校がある)あの付近に数ヶ月住んでいたけど、玉川上水に向かう坂道の途中にあったとんかつ屋によく通ったものだ。キャベツおかわり放題だったのでそれで空腹を満たしていたっけ。

どこかおいしいとんかつ屋を見つけて、じゅわっと油がにじむようなロースを味わいたいなぁ。ここはやはり劇中の「とんかつQ」のモデルになった上野井泉本店に行かないとな。

■上野井泉本店
https://www.isen-honten.jp

助監督、脚本と川島雄三監督と関係の深かった柳沢類寿氏とのこの本に、この映画のシナリオが掲載されている。
(2021.6.15 14:15追記)

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